漫画断断续续看了一些,今天抽空看了第三次真人版。晚上花了几个钟头做了这篇汇总。现代文翻译方面只有日文,不含中文注释。翻译部分收集了刘德润和叶渭渠两位老先生的作品。个人比较偏爱刘德润先生的翻译,历时26年成书,全篇以汉诗形式翻译,个人觉得已经是典雅精致的极品了。但是以老先生的话来说,也只有80%的作品合于平仄,一部分为了忠于原作而做了相应取舍。叶渭渠老先生的相对灵活,有一部分更接近白话文,便于理解。各有所长,各位也就各取所需吧。.
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01:【天智天皇】
原文
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ 我が衣手は 露にぬれつつ
读法
あきのたの かりほのいほの とまをあらみわがころもでは つゆにぬれつつ
现代日语
秋の田のほとりにつくった仮小屋に泊まって、刈り取った稲の番をしていると、小屋の屋根をふいたり、小屋の周りを囲んだりしている苫の目があらいので、その隙間から忍びこむ冷たい夜露に、私の着ている着物の袖は、しっとりとぬれていくことだなあ。
译文
刘德润 秋来田野上,且宿陋茅庵。夜半湿衣袖,滴滴冷露沾。
叶渭渠 秋日田野间,庵屋初搭就。覆盖草席疏,冷露湿衫袖。
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02:【持统天皇】
原文
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
读法
はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま
现代日语
春が過ぎ去り、いつのまにか夏が来てしまったようです。夏になると、白い夏の着物をほすならわしがあるという天の香具山に、あんなに点々と、白い衣がほしてあるのが見えます。(この歌は、香具山に降り積もった雪を、白い衣に見立ててつくった歌だという説もあります)
译文
刘德润 春尽夏已到,翠微香久山。满眼白光耀,闻说晒衣衫。
叶渭渠 春方迟迟去,夏又到人间。白衣无数点,晾满香具山。
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03:【柿本人麻吕】
原文
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
读法
あしびきの やまどりのをの しだりをのながながしよを ひとりかもねむ
现代日语
夜はおすとめすが、谷を隔てて離れ離れに寝るという山鳥...。その山鳥の長く垂れ下がった尾のように長い長い夜を、この私もまた、あなたと離れて一人さびしく寝るのだろうか。私は片時もあなたと離れずにいたいと思うのに...。
译文
刘德润 野雉深山里,尾垂与地连。漫漫秋夜冷,只恐又独眠。
叶渭渠 悠悠长夜长,长似雉鸡尾。孤零只一人,辗转如何睡?
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04:【山部赤人】
原文
田子の浦に うちいでてみれば 白妙の富士の高嶺に 雪は降りつつ
读法
たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ
现代日语
田子の浦の海岸に出て仰ぎ見ると、白い雪をいだいた富士山が、パッと目に飛び込んできた。その富士山の高い峰には、今もしきりに雪がふり続けている。それはなんと美しく、神神しい山の姿だろう!
译文
刘德润 我到田子浦,远瞻富士山。纷纷扬大雪,纨素罩峰颜。
叶渭渠 一出田子浦,遥见富士山。高高青峰上,纷纷白雪寒。
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05:【猿丸大夫】
原文
奥山に もみぢふみわけ なく鹿 の声聞く時ぞ 秋はかなしき
读法
おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき
现代日语
人里離れた深い奥山で、一面に散りしく紅葉をふみわけ妻を求めて鳴いている鹿の声...。その声を聞くとき、秋の寂しさが私の心にもしみて、一押し悲しく感じられることだなあ。
译文
刘德润 有鹿踏红叶,深山独自游。呦呦鸣不止,此刻最悲秋。
叶渭渠 深山红叶满地飘,足踏红叶路迢迢。闻道鹿鸣声哀苦,悲感风寒秋气高。
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06:【大伴家持】
原文
かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける
读法
かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
现代日语
七夕の夜、天の川にかささぎが掛け渡すという天上の橋。その橋のように見える宮中の階段に、霜が真っ白におりているのを見ると、夜はしんしんと更けていっているのだなあ。
译文
刘德润 渺渺天河阔,皎皎鹊翅长。夜阑一片白,已是满桥霜。
叶渭渠 宫阶若鹊桥,秋霜满地飘。茫茫白一片,寒夜正迢迢。
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07:【阿部仲麻吕】
原文
天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも
读法
あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
现代日语
大空を振り仰ぎ、はるか遠くを眺めると、東の空に美しい月が上っている。あの月はきっと、私が少年のころに見た、故郷の奈良の三笠山に出ていた月と同じ月だろう。
ああ、早く日本へ帰って、奈良の春日にある三笠山にのぼるあの月を眺めたいなあ!
译文
刘德润 长空极目处,万里一婵娟。故国春日野,月出三笠山。
叶渭渠 辽阔长天玉镜升,仰首遥望动乡情。犹是当年春日月,曾在三笠山顶明。
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08:【喜撰法师】
原文
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり
读法
わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢやまと ひとはいふなり
现代日语
わたしの草庵は、都の東南にあり、わたしはそこで心静かにくらしている。
それなのにしれ世間の人たちは、わたしが住みづらいしず世の中からかくれて、この宇治の山に住んでいるとうわさしているそうだ。
译文
刘德润 我住皇都外,东南结草庵。幽深人不解,反谓忧愁山。
叶渭渠 我今幽居结草庵,远离京府在东南。我自悠然人忧患,人谓人间忧治山。
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09:【小野小町】
原文
花の色は うつりにけりな いたづらに わが身よにふる ながめせしまに
读法
はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに
现代日语
降りつづ春の雨に、桜の花のさかりをすぎ、すっかり色をあせてしまいました。
かなえられぬ恋の思いにうちしずみながら、降りつづく雨をぼんやりながめ暮らしているうちに,わたしの美しさも、その花の色のように、こんなにおとろえてしまいました。
译文
刘德润 忧思逢苦雨,人世叹徒然。春色无暇赏,奈何花已残。
叶渭渠 好花转瞬即飘零,只恨空空度此生。伤心红泪何所似?连绵细雨不能晴。
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10:【蝉丸】
原文
これやこの 行くも帰るも わかれては しるもしらぬも 逢坂の関
读法
これやこの ゆくもかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき
现代日语
これやこの ゆく もかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき
译文
刘德润 远去与相送,离情此地同。亲朋萍水客,逢坂关前逢。
叶渭渠 去去来来去来频,相逢相别乱纷纷。问何相识不相识,逢坂关多流落人。
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11:【参议篁】
原文
わたの原 八十島かけて こぎいでぬと 人にはつげよ あまのつり舟
读法
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
现代日语
「篁は小さな舟に乗せられて、海原はるかに多くの島じまを、めざしてこぎだして行ったよ。」と、わたしの親しい都の人たちに知らせておくれ。そこでつりをしているつり舟の漁夫よ。
※わたの原...「わた」は海、「はら」は広い所の意味で、雄大さを表す。
译文
刘德润 大海迷茫处,船行百岛间。乡关告父老,拜请钓鱼船。
叶渭渠 远方洋面岛成群,一叶轻帆离海滨。寄语渔舟垂钓者,其传消息与伊人。
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12:【僧正遍昭】
原文
天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
读法
あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ
现代日语
空を吹き渡る風よ。どうか·雲の中にあるという、天に通じる道をふさいでおくれ。
舞い終わって、天に帰って行くおとめたちの姿を、もうしばらく、ここにひきとめておきたいから。
译文
刘德润 浩荡天风起,云中路莫开。仙姬留碧落,倩影暂徘徊。
叶渭渠 大风浩浩起长天,云路归途尽锁严。天女翩翩归不得,暂留舞态在人间。
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13:【阳成院】
原文
つくばねの 峰よりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
读法
つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる
现代日语
筑波の嶺から流れてくる男女川という川は、最初はわずかですが、今では深い淵となっています。
同じように、私のあなたに対する恋心も、今では、最初のころにくらべると、ほら… こんなにも深く深くなっているのですよ。どうかわかってください…。
译文
刘德润 仰望筑波岭,飞泉落九天、相思积岁月,早已化深潭。
叶渭渠 筑波峰间水,流出汇成川。恋情心头积,深深如巨渊。
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14:【河源左大臣】
原文
みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに みだれそめにし 我ならなくに
读法
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに
现代日语
陸奥のしのぶもじずりの乱れ模様のように、わたしの心はひどく思い乱れています。こんなになったのは、いったいだれのせいでしょう。わたしのせいではありません。みんなあなたのせいですよ。
※しのぶもぢずり···福島県の旧信夫郡あたりで、乱れ模様に染められた布のこと。家の周りをこれで覆った。
译文
刘德润 纷纷心绪乱,皱似信夫绢。若不与卿识,为谁泪珠潸。
叶渭渠 奥州花布色纷纷,花色凌乱似我心。我心为谁乱如许?除君以外更无人。
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15:【光孝天皇】
原文
君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ
读法
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
现代日语
あなたにさしあげようと思って、春の野に出て若菜を摘んでいました。ふと空を見上げると,春だというのに,雪がちらちらと降ってきて、わたしの着物の袖に散りかかっていることです。それでも、あなたのことを思い浮かべると寒さなどけっして気になりません。
译文
刘德润 原上采春芽,只为献君尝。犹见白双袖,飘飘大雪扬。
叶渭渠 只为持赠君,郊野采嫩菜。春雪纷纷飘,落满衣袖带。
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16:【中纳言行平】
原文
立ちわかれ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いまかへりこむ
读法
たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ
现代日语
おまえと別れて、わたしは因幡国(鳥取県)へ行くけれど、その因幡国の稲葉山の峰にはえている「まつ」のように、おまえがわたしを待ちこがれていると聞いたならば、都へとんで帰って来よう。
※まつとし聞かば「まつ」は、松と、「待つ」のふたつの意味がある。
译文
刘德润 我下因幡道,松涛闻满山。诸君劳久候,几欲再回还。
叶渭渠 别君远赴因幡国,心似稻叶山顶松。天边若闻君相待,自当速速就归程。
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17: 【在原业平】
原文
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
读法
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
现代日语
今の世ではもちろんのこと、いろいろふしぎなことがあったという神代のむかしにさえも、こんなことがあったとはきいたことがありません。一面に紅葉が散りしいて竜田川に流れる水を美しいくれないの色のしぼり染めに染めあげるなどということは...。
※からくれなゐ...唐(中国)から伝えられたあざやかな赤の色のこと。
译文
刘德润 悠悠神代事,黯黯不曾闻。枫染龙田川,潺潺流水深。
叶渭渠 神代灵迹处处生,远古未见此奇情。浩浩龙田川里水,尽被红叶染成红。
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18:【藤原敏行】
原文
住の江の 岸による波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ
读法
すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
现代日语
住の江の岸にうち寄せる波のように、昼も夜もわたしはあなたに会いたいのだ。それなのに、昼ばかりでなく、夜見る夢の中でさえも、どうしてあなたは人目をはばかって、会ってくれないのですか。
译文
刘德润 浪涌住江岸,更深夜静时。相逢唯梦里,犹恐被人知。
叶渭渠 江涛拍岸似余情,自朝至夜不肯停。梦里往来荒野道,为逃人目暗中行。
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19:【伊势】
原文
難波潟 みじかき蘆の ふしのまも あはでこの世を すぐしてよとや
读法
なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや
现代日语
難波潟(大阪付近の海)の入江に押し茂っている芦の、短いふしとふしの間のように、ほんの短い間でもお会いしたいのです。それなのに、それさえかなわずいつまでもこの世を過ごしていけと、あなたはおしゃるのでしょうか。それではつらすぎます...。
译文
刘德润 短短芦苇节,难波满海滩。相逢无片刻,只叹命将残。
叶渭渠 难波湾里芦苇丛,短如苇节也难逢。此生与君晤不得,年华虚度我伤情。
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20:【元良君王】
原文
わびぬれば いまはたおなじ 難波なる 身をつくしても あはむとぞ思ふ
读法
わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ
现代日语
あなたにお逢いできなくて、こんなにつらい思いをしているのですから、もうどうなってもおなじことです。いっそ、あの難波潟の「みをつくし」ということばのように、この身をつくし(ほろぼし)ともいいから今一度、あなたにお逢いしたいと思います。
※みをつくし...「身を捨てて」という意味と、船の道しるべの「澪標」のふたつの意味がある。
译文
刘德润 两处相思苦,风雨早满城。舍身终不悔,犹盼与君逢。
叶渭渠 寂寞辛酸度此生,至今仍是苦烦中。宁赴难波江中死,也愿与君相聚逢。
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21:【素性法师】
原文
今こむと いひしばかりに 長月の 有明の月を まちいでつるかな
读法
いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
现代日语
「今すく会いにいきましょう」と、あなたがおっしゃったので、そのおことばを信じて、九月の長い夜を待ちつづけ、とうとう夜が明けて、有明の月が出る頃をむかえました。お恨みしています。
译文
刘德润 夜夜盼君到,不知秋已深。相约定不忘,又待月西沉。
叶渭渠 即将此处来,曾是君言说。久等却不至,候见晓空月。
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22:【文屋康秀】
原文
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
读法
ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ
现代日语
山から風が吹きおろしてくると、その風によって、たちまち秋の草はしおれ、木の葉は散ってしまう。なるほど、それで、山から吹きおろしてくる風を「嵐」と書き、「荒らし」というのだろう。
译文
刘德润 枯焦怜草木,落叶逐飞蓬。瑟瑟山风起,世人谓槁风。
叶渭渠 山风甫吹过,秋深草木黄。似经暴风雨,枝叶俱凋伤。
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23:【大江千里】
原文
月みれば ちぢにものこそ かなしけれ わが身一つの 秋にはあらねど
读法
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
现代日语
秋の空にかかる月をながめていると、さまざまな思いに心が乱れて、かなしまがおしよせてきます。秋は、わたしひとりだけのためにやってきたというわけではないのだけれど...。
※ちぢに...いろいろ、さまざまにという意味。
译文
刘德润 举目望明月,千愁萦我心。秋光来万里,岂独照一人。
叶渭渠 仰望明月照四方,心头处处尽忧伤。非缘已因秋来冷,只因秋来天下凉。
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24:【菅家】
原文
このたびは ぬさもとりあへず 手向山 もみぢのにしき 神のまにまに
读法
このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに
现代日语
今度の旅は急な出発だったので、ぬさを用意するひまもありませんでした。手向山の神さま、とりあえずこの美しい紅葉をぬさとしてお供えします。どうかお心のままにお受け取りください。
※ぬさ...「幣」と書き、神に祈るためのささげ物。布や紙でつくらていた。
译文
刘德润 币帛未曾带,匆匆羁旅程。满山枫似锦,权可献神灵。
叶渭渠 今朝远旅去天边,未带路神受祭钱。满山红叶美如锦,即做厚礼献神前。
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25:【三条右大臣】
原文
名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人にしられで 来るよしもがな
读法
なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな
现代日语
逢っていっしょに寝るという名前を持っている、逢坂山のさねかずらよ。その名前のとおりであるなら、かずらをたぐるように、こっそりあなたのもとに逢いに行く方法を知りたいものだ。
※さねかずら···モクレン科のつる状の潅木。秋には赤い実をつける。
译文
刘德润 绵绵真葛草,远侵动相思。愿随芳菲去,相逢人不知。
叶渭渠 山名逢坂意相逢,草曰双栖美且青。但愿能趁人未觉,去往君处叙深情。
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26:【贞信公】
原文
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆきまたなむ
读法
をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ
现代日语
小倉山の峰を美しくいろどる紅葉葉よ。もし、おまえにも物のあわれのわかる心があるなら、そんなに散るのを急がずに、もう一度天皇がここにいらっしゃるときまで待っていてくれないか。
译文
刘德润 群峰红叶染,绚烂小仓山。愿尔有心意,恭迎圣驾瞻。
叶渭渠 小仓山上秀峰高,红叶如花无限娇。多情红叶如有意,其待御幸于来朝。
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27:【中纳言兼辅】
原文
みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ
读法
みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ
现代日语
みかの原をふたつにわけて、わき出して流れるいずみ川よ。その、いずみ川の名のように、その人をいつ見たといっては、わたしの心は、その人を恋しく思ってしまう。ほんとうは、まだ一度も会ったことなどないのに。それでも、とにかくその人に会いたいのです。
※みかの原···京都府相楽郡を流れる木津川の北岸あたりのこと。
译文
刘德润 泉河波浪涌,流水分瓶原。何日曾相见,依依惹梦牵。
叶渭渠 瓶原泉水碧悠悠,不绝恋情似水流。伊人似在何时见,深情难忘绕心头。
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28:【源宗于】
原文
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
读法
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば
现代日语
山里の景色や暮らしは、いつの季節でもさびしいけれど、冬はことにさびしさが身にしみて感じられるなあ。たずねて来てくれる人もとだえ、心をなぐさめてくれた草もかれはててしまうと思うと···。
译文
刘德润 我住深山里,东来更寂寥。空山人不见,草木尽枯凋。
叶渭渠 寂寞空山里,冬至更凄凉。抬头人迹远,触目白草荒。
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29:【凡河内躬恒】
原文
心当てに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
读法
こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな
现代日语
もし折るとしたら、あてずっぽうに折れば、折ることができるだろうか。初霜の一面にまっ白におりて、どれが花か霜か、見わけをつかなくしている白菊の花を···。
译文
刘德润 欲采白菊朵,今朝初降霜。霜花不可辨,满眼正迷茫。
叶渭渠 白菊若可折,折去亦何妨。秋霜白一片,难分菊与霜。
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30: 【壬生忠岑】
原文
有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり うきものはなし
读法
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
现代日语
あのときも夜明けの空に、有明の月がつれなくのこっていました、あの朝、あなたと別れてから、お会いすることもなく、長い年月がたってしまいましたが、わたしには今でも、有明の月のかかる夜明けほど、つらいものはありません。あなたと別れた明け方のことが思い出されてしまうのです。
※有明の月···夜明けになっても、まだ空にのこっている月のこと。
译文
刘德润 仰看无情月,依依悲欲绝。断肠唯此时,拂晓与君别。
叶渭渠 仰望残月挂高空,一似伊人冷若冰。自从别来孤独甚,最是晓起倍伤情。
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31:【坂上是则】
原文
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
读法
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
现代日语
ほのぼのと東の空が明けはじめる頃、戸をあけてあたりを見わたしてみた。
すると、まるで有明の月の光がさしているのではないかと思われるほど、まっ白に、この吉野の山里に降降りつもっている白雪よ。
译文
刘德润 朦胧曙色里,皎似月光寒。白雪飘飘落,映明吉野天。
叶渭渠 疑是凌晨月,冷冷放寒光。寂寂吉野里,一片白雪凉。
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32:【春道列树】
原文
山川に 風のかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
读法
やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
现代日语
人里遠くはなれた山の中の谷川に、美しいしがらみがあった。どうしてこんなところに、と近づいてみると、それは風に吹き散らされたまま、流れることができずにいる紅葉だったよ。
※しがらみ···川の流れをせきとめるために、竹やしばでつくられたさくのこと。
译文
刘德润 溅溅山溪淌,秋枫红叶下。无心阻流水,伊然似堰栅。
叶渭渠 山间河水流,风吹叶成堰。欲流流不去,水上红叶乱。
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33:【纪友则】
原文
久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
读法
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ
现代日语
うららかな日の光がふりそそいでいる。こんなのどかな春の日に、桜の花は、どうしておちついた心もなく、あわただしく散るのだろうか。
译文
刘德润 灿灿日光里,融融春意酣。放心何事乱,簌簌樱花残。
叶渭渠 明媚柔光丽,春日静悄悄。忧伤心欲碎,好花满地飘。
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34:【藤原兴风】
原文
誰をかも しる人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
读法
たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに
现代日语
むかしの友だちがつぎつぎになくなってしまった今、年老いたわたしは、いったいだれを友だちにして生きればいいのだろう。たのみにした高砂の松さえ、むかしからの友だちではないのだからなあ。
※高砂の松···「高砂」は、兵庫県高砂市。松の名所として有名。
译文
刘德润 访旧皆难见,可伶无故知。高砂松树在,自小不相识。
叶渭渠 谁为知己知我心?四海无处觅知音。虽有高岗古松树,却非昔日旧友人。
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35:【纪贯之】
原文
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける
读法
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける
现代日语
あなたのお心は、むかしのままかどうか、さあよくわかりません。しかし、これまで何度もたずねて来てよく知っている、この初瀬の里の梅の花は、むかしどおりのかおりで美しく咲いて、わたしをむかえてくれていますよ。どうかきげんをなおして、わたしを泊めていただけませんか。
译文
刘德润 悠悠羁旅客,问君可曾知。故里梅花发,幽香似旧时。
叶渭渠 未知君况别离长,君意如何今不详。难忘昔日晤君处,花开犹是旧时香。
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36:【清原深养父】
原文
夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
读法
なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ
现代日语
まだ宵だとおもっているうちに、もう明けてしまった。こんなに早く夜が明けたのでは、月も西の山まで行きつけないだろうに、いったい雲のどのあたりに宿っているのだろうか。
译文
刘德润 夏夜匆匆尽,依稀露曙天。云中留晓月,恋恋不思还。
叶渭渠 夏夜犹在未明间,已是朦胧欲曙天。晓月未及西山落,暂住天际乱云边。
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37:【文屋朝康】
原文
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
读法
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
现代日语
朝草の上に、水晶の玉のような白露がおりている秋の野。その秋の野に、朝の風がしきりに吹き寄せるたびに、糸にとおしてつなぎとめてない水晶の玉が、きらめきながら散りこぼれていることよ。
※風の吹きしく···風がひっきりなしに吹いているようす。
译文
刘德润 清秋原野上,白露滚凉风。无计串珠玉,可伶散草丛。
叶渭渠 草叶凝寒露,风吹草沉浮。萧瑟秋夜里,乱洒白玉珠。
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38:【右近】
原文
忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の 惜しくもあるかな
读法
わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな
现代日语
あなたに忘れられるわたしのみの不幸せなど、わたしにとってはなんでもありましせん。ただ、いつまでもわたしを愛してくださると、神におちかいになったあなたが、そのちかいを裏切ったために神さまの罰を受けて·死んでおしまいになるのではないかと、それが惜しまれてなりません。
※人の命···恋の相手の命をあらわす。
译文
刘德润 有誓遭遗忘,无暇顾自身。别来无恙乎,恋恋犹念君。
叶渭渠 君今忘我我何言,海誓山盟曾对天。恐天罚君君早折,思念至此觉心酸。
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39:【参议等】
原文
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
读法
あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき
现代日语
まばらに芽がはえているさびしい篠原。そのしのということばのように、あなたへの思いをじっとてえしのんでいましたが、もうたえきれません。どうしてこんなにあなたが恋しいのでしょう。
※あさぢふ···芽(野原や道ばたにはえてるイネ科の植物)がまばらにはえている場所。
译文
刘德润 小野幽篁里,青青茅草生。相思难自禁,可叹陷痴情。
叶渭渠 小野白茅青竹林,竹深恰似我情深。一忍再忍忍不住,不知何故总忆君。
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40:【平兼盛】
原文
しのぶれど 色に出でにけり 我が恋は 物や思ふと 人の問ふまで
读法
しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで
现代日语
あの人を恋しく思う気持ちを人に知られないように、わたしは長い間じっとおさえて、つつみかくしていました。しかし、とうとうかくしきれずに顔色に出てしまいました。「近頃だれかを恋していらっしゃるようですね」と人がたずねるまでに···。
※色に出にけり···顔色に出てしまった、という意味。
译文
刘德润 相思形色露,欲掩不从心。烦恼为谁故,偏招诘问人。
叶渭渠 隐忍深情锁在心,无端流露在眉颦。我心无限相思苦,却被他人问于今。
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01:【天智天皇】
原文
秋の田の かりほの庵の 苫をあらみ 我が衣手は 露にぬれつつ
读法
あきのたの かりほのいほの とまをあらみわがころもでは つゆにぬれつつ
现代日语
秋の田のほとりにつくった仮小屋に泊まって、刈り取った稲の番をしていると、小屋の屋根をふいたり、小屋の周りを囲んだりしている苫の目があらいので、その隙間から忍びこむ冷たい夜露に、私の着ている着物の袖は、しっとりとぬれていくことだなあ。
译文
刘德润 秋来田野上,且宿陋茅庵。夜半湿衣袖,滴滴冷露沾。
叶渭渠 秋日田野间,庵屋初搭就。覆盖草席疏,冷露湿衫袖。
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02:【持统天皇】
原文
春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣ほすてふ 天の香具山
读法
はるすぎて なつきにけらし しろたへの ころもほすてふ あまのかぐやま
现代日语
春が過ぎ去り、いつのまにか夏が来てしまったようです。夏になると、白い夏の着物をほすならわしがあるという天の香具山に、あんなに点々と、白い衣がほしてあるのが見えます。(この歌は、香具山に降り積もった雪を、白い衣に見立ててつくった歌だという説もあります)
译文
刘德润 春尽夏已到,翠微香久山。满眼白光耀,闻说晒衣衫。
叶渭渠 春方迟迟去,夏又到人间。白衣无数点,晾满香具山。
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03:【柿本人麻吕】
原文
あしびきの 山鳥の尾の しだり尾の ながながし夜を ひとりかも寝む
读法
あしびきの やまどりのをの しだりをのながながしよを ひとりかもねむ
现代日语
夜はおすとめすが、谷を隔てて離れ離れに寝るという山鳥...。その山鳥の長く垂れ下がった尾のように長い長い夜を、この私もまた、あなたと離れて一人さびしく寝るのだろうか。私は片時もあなたと離れずにいたいと思うのに...。
译文
刘德润 野雉深山里,尾垂与地连。漫漫秋夜冷,只恐又独眠。
叶渭渠 悠悠长夜长,长似雉鸡尾。孤零只一人,辗转如何睡?
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04:【山部赤人】
原文
田子の浦に うちいでてみれば 白妙の富士の高嶺に 雪は降りつつ
读法
たごのうらに うちいでてみれば しろたへの ふじのたかねに ゆきはふりつつ
现代日语
田子の浦の海岸に出て仰ぎ見ると、白い雪をいだいた富士山が、パッと目に飛び込んできた。その富士山の高い峰には、今もしきりに雪がふり続けている。それはなんと美しく、神神しい山の姿だろう!
译文
刘德润 我到田子浦,远瞻富士山。纷纷扬大雪,纨素罩峰颜。
叶渭渠 一出田子浦,遥见富士山。高高青峰上,纷纷白雪寒。
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05:【猿丸大夫】
原文
奥山に もみぢふみわけ なく鹿 の声聞く時ぞ 秋はかなしき
读法
おくやまに もみぢふみわけ なくしかの こゑきくときぞ あきはかなしき
现代日语
人里離れた深い奥山で、一面に散りしく紅葉をふみわけ妻を求めて鳴いている鹿の声...。その声を聞くとき、秋の寂しさが私の心にもしみて、一押し悲しく感じられることだなあ。
译文
刘德润 有鹿踏红叶,深山独自游。呦呦鸣不止,此刻最悲秋。
叶渭渠 深山红叶满地飘,足踏红叶路迢迢。闻道鹿鸣声哀苦,悲感风寒秋气高。
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06:【大伴家持】
原文
かささぎの 渡せる橋に おく霜の 白きをみれば 夜ぞふけにける
读法
かささぎの わたせるはしに おくしもの しろきをみれば よぞふけにける
现代日语
七夕の夜、天の川にかささぎが掛け渡すという天上の橋。その橋のように見える宮中の階段に、霜が真っ白におりているのを見ると、夜はしんしんと更けていっているのだなあ。
译文
刘德润 渺渺天河阔,皎皎鹊翅长。夜阑一片白,已是满桥霜。
叶渭渠 宫阶若鹊桥,秋霜满地飘。茫茫白一片,寒夜正迢迢。
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07:【阿部仲麻吕】
原文
天の原 ふりさけみれば 春日なる 三笠の山に いでし月かも
读法
あまのはら ふりさけみれば かすがなる みかさのやまに いでしつきかも
现代日语
大空を振り仰ぎ、はるか遠くを眺めると、東の空に美しい月が上っている。あの月はきっと、私が少年のころに見た、故郷の奈良の三笠山に出ていた月と同じ月だろう。
ああ、早く日本へ帰って、奈良の春日にある三笠山にのぼるあの月を眺めたいなあ!
译文
刘德润 长空极目处,万里一婵娟。故国春日野,月出三笠山。
叶渭渠 辽阔长天玉镜升,仰首遥望动乡情。犹是当年春日月,曾在三笠山顶明。
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08:【喜撰法师】
原文
わが庵は 都のたつみ しかぞすむ 世をうぢ山と 人はいふなり
读法
わがいほは みやこのたつみ しかぞすむ よをうぢやまと ひとはいふなり
现代日语
わたしの草庵は、都の東南にあり、わたしはそこで心静かにくらしている。
それなのにしれ世間の人たちは、わたしが住みづらいしず世の中からかくれて、この宇治の山に住んでいるとうわさしているそうだ。
译文
刘德润 我住皇都外,东南结草庵。幽深人不解,反谓忧愁山。
叶渭渠 我今幽居结草庵,远离京府在东南。我自悠然人忧患,人谓人间忧治山。
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09:【小野小町】
原文
花の色は うつりにけりな いたづらに わが身よにふる ながめせしまに
读法
はなのいろは うつりにけりな いたづらに わがみよにふる ながめせしまに
现代日语
降りつづ春の雨に、桜の花のさかりをすぎ、すっかり色をあせてしまいました。
かなえられぬ恋の思いにうちしずみながら、降りつづく雨をぼんやりながめ暮らしているうちに,わたしの美しさも、その花の色のように、こんなにおとろえてしまいました。
译文
刘德润 忧思逢苦雨,人世叹徒然。春色无暇赏,奈何花已残。
叶渭渠 好花转瞬即飘零,只恨空空度此生。伤心红泪何所似?连绵细雨不能晴。
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10:【蝉丸】
原文
これやこの 行くも帰るも わかれては しるもしらぬも 逢坂の関
读法
これやこの ゆくもかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき
现代日语
これやこの ゆく もかへるも わかれては しるもしらぬも あふさかのせき
译文
刘德润 远去与相送,离情此地同。亲朋萍水客,逢坂关前逢。
叶渭渠 去去来来去来频,相逢相别乱纷纷。问何相识不相识,逢坂关多流落人。
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11:【参议篁】
原文
わたの原 八十島かけて こぎいでぬと 人にはつげよ あまのつり舟
读法
わたのはら やそしまかけて こぎいでぬと ひとにはつげよ あまのつりぶね
现代日语
「篁は小さな舟に乗せられて、海原はるかに多くの島じまを、めざしてこぎだして行ったよ。」と、わたしの親しい都の人たちに知らせておくれ。そこでつりをしているつり舟の漁夫よ。
※わたの原...「わた」は海、「はら」は広い所の意味で、雄大さを表す。
译文
刘德润 大海迷茫处,船行百岛间。乡关告父老,拜请钓鱼船。
叶渭渠 远方洋面岛成群,一叶轻帆离海滨。寄语渔舟垂钓者,其传消息与伊人。
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12:【僧正遍昭】
原文
天つ風 雲のかよひ路 吹きとぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
读法
あまつかぜ くものかよひぢ ふきとぢよ をとめのすがた しばしとどめむ
现代日语
空を吹き渡る風よ。どうか·雲の中にあるという、天に通じる道をふさいでおくれ。
舞い終わって、天に帰って行くおとめたちの姿を、もうしばらく、ここにひきとめておきたいから。
译文
刘德润 浩荡天风起,云中路莫开。仙姬留碧落,倩影暂徘徊。
叶渭渠 大风浩浩起长天,云路归途尽锁严。天女翩翩归不得,暂留舞态在人间。
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13:【阳成院】
原文
つくばねの 峰よりおつる みなの川 恋ぞつもりて 淵となりぬる
读法
つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる
现代日语
筑波の嶺から流れてくる男女川という川は、最初はわずかですが、今では深い淵となっています。
同じように、私のあなたに対する恋心も、今では、最初のころにくらべると、ほら… こんなにも深く深くなっているのですよ。どうかわかってください…。
译文
刘德润 仰望筑波岭,飞泉落九天、相思积岁月,早已化深潭。
叶渭渠 筑波峰间水,流出汇成川。恋情心头积,深深如巨渊。
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14:【河源左大臣】
原文
みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに みだれそめにし 我ならなくに
读法
みちのくの しのぶもぢずり たれゆゑに みだれそめにし われならなくに
现代日语
陸奥のしのぶもじずりの乱れ模様のように、わたしの心はひどく思い乱れています。こんなになったのは、いったいだれのせいでしょう。わたしのせいではありません。みんなあなたのせいですよ。
※しのぶもぢずり···福島県の旧信夫郡あたりで、乱れ模様に染められた布のこと。家の周りをこれで覆った。
译文
刘德润 纷纷心绪乱,皱似信夫绢。若不与卿识,为谁泪珠潸。
叶渭渠 奥州花布色纷纷,花色凌乱似我心。我心为谁乱如许?除君以外更无人。
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15:【光孝天皇】
原文
君がため 春の野に出でて 若菜つむ わが衣手に 雪はふりつつ
读法
きみがため はるののにいでて わかなつむ わがころもでに ゆきはふりつつ
现代日语
あなたにさしあげようと思って、春の野に出て若菜を摘んでいました。ふと空を見上げると,春だというのに,雪がちらちらと降ってきて、わたしの着物の袖に散りかかっていることです。それでも、あなたのことを思い浮かべると寒さなどけっして気になりません。
译文
刘德润 原上采春芽,只为献君尝。犹见白双袖,飘飘大雪扬。
叶渭渠 只为持赠君,郊野采嫩菜。春雪纷纷飘,落满衣袖带。
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16:【中纳言行平】
原文
立ちわかれ いなばの山の 峰に生ふる まつとし聞かば いまかへりこむ
读法
たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかへりこむ
现代日语
おまえと別れて、わたしは因幡国(鳥取県)へ行くけれど、その因幡国の稲葉山の峰にはえている「まつ」のように、おまえがわたしを待ちこがれていると聞いたならば、都へとんで帰って来よう。
※まつとし聞かば「まつ」は、松と、「待つ」のふたつの意味がある。
译文
刘德润 我下因幡道,松涛闻满山。诸君劳久候,几欲再回还。
叶渭渠 别君远赴因幡国,心似稻叶山顶松。天边若闻君相待,自当速速就归程。
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17: 【在原业平】
原文
ちはやぶる 神代もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは
读法
ちはやぶる かみよもきかず たつたがは からくれなゐに みづくくるとは
现代日语
今の世ではもちろんのこと、いろいろふしぎなことがあったという神代のむかしにさえも、こんなことがあったとはきいたことがありません。一面に紅葉が散りしいて竜田川に流れる水を美しいくれないの色のしぼり染めに染めあげるなどということは...。
※からくれなゐ...唐(中国)から伝えられたあざやかな赤の色のこと。
译文
刘德润 悠悠神代事,黯黯不曾闻。枫染龙田川,潺潺流水深。
叶渭渠 神代灵迹处处生,远古未见此奇情。浩浩龙田川里水,尽被红叶染成红。
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18:【藤原敏行】
原文
住の江の 岸による波 よるさへや 夢のかよひ路 人目よくらむ
读法
すみのえの きしによるなみ よるさへや ゆめのかよひぢ ひとめよくらむ
现代日语
住の江の岸にうち寄せる波のように、昼も夜もわたしはあなたに会いたいのだ。それなのに、昼ばかりでなく、夜見る夢の中でさえも、どうしてあなたは人目をはばかって、会ってくれないのですか。
译文
刘德润 浪涌住江岸,更深夜静时。相逢唯梦里,犹恐被人知。
叶渭渠 江涛拍岸似余情,自朝至夜不肯停。梦里往来荒野道,为逃人目暗中行。
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19:【伊势】
原文
難波潟 みじかき蘆の ふしのまも あはでこの世を すぐしてよとや
读法
なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや
现代日语
難波潟(大阪付近の海)の入江に押し茂っている芦の、短いふしとふしの間のように、ほんの短い間でもお会いしたいのです。それなのに、それさえかなわずいつまでもこの世を過ごしていけと、あなたはおしゃるのでしょうか。それではつらすぎます...。
译文
刘德润 短短芦苇节,难波满海滩。相逢无片刻,只叹命将残。
叶渭渠 难波湾里芦苇丛,短如苇节也难逢。此生与君晤不得,年华虚度我伤情。
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20:【元良君王】
原文
わびぬれば いまはたおなじ 難波なる 身をつくしても あはむとぞ思ふ
读法
わびぬれば いまはたおなじ なにはなる みをつくしても あはむとぞおもふ
现代日语
あなたにお逢いできなくて、こんなにつらい思いをしているのですから、もうどうなってもおなじことです。いっそ、あの難波潟の「みをつくし」ということばのように、この身をつくし(ほろぼし)ともいいから今一度、あなたにお逢いしたいと思います。
※みをつくし...「身を捨てて」という意味と、船の道しるべの「澪標」のふたつの意味がある。
译文
刘德润 两处相思苦,风雨早满城。舍身终不悔,犹盼与君逢。
叶渭渠 寂寞辛酸度此生,至今仍是苦烦中。宁赴难波江中死,也愿与君相聚逢。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
21:【素性法师】
原文
今こむと いひしばかりに 長月の 有明の月を まちいでつるかな
读法
いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな
现代日语
「今すく会いにいきましょう」と、あなたがおっしゃったので、そのおことばを信じて、九月の長い夜を待ちつづけ、とうとう夜が明けて、有明の月が出る頃をむかえました。お恨みしています。
译文
刘德润 夜夜盼君到,不知秋已深。相约定不忘,又待月西沉。
叶渭渠 即将此处来,曾是君言说。久等却不至,候见晓空月。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
22:【文屋康秀】
原文
吹くからに 秋の草木の しをるれば むべ山風を 嵐といふらむ
读法
ふくからに あきのくさきの しをるれば むべやまかぜを あらしといふらむ
现代日语
山から風が吹きおろしてくると、その風によって、たちまち秋の草はしおれ、木の葉は散ってしまう。なるほど、それで、山から吹きおろしてくる風を「嵐」と書き、「荒らし」というのだろう。
译文
刘德润 枯焦怜草木,落叶逐飞蓬。瑟瑟山风起,世人谓槁风。
叶渭渠 山风甫吹过,秋深草木黄。似经暴风雨,枝叶俱凋伤。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
23:【大江千里】
原文
月みれば ちぢにものこそ かなしけれ わが身一つの 秋にはあらねど
读法
つきみれば ちぢにものこそ かなしけれ わがみひとつの あきにはあらねど
现代日语
秋の空にかかる月をながめていると、さまざまな思いに心が乱れて、かなしまがおしよせてきます。秋は、わたしひとりだけのためにやってきたというわけではないのだけれど...。
※ちぢに...いろいろ、さまざまにという意味。
译文
刘德润 举目望明月,千愁萦我心。秋光来万里,岂独照一人。
叶渭渠 仰望明月照四方,心头处处尽忧伤。非缘已因秋来冷,只因秋来天下凉。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
24:【菅家】
原文
このたびは ぬさもとりあへず 手向山 もみぢのにしき 神のまにまに
读法
このたびは ぬさもとりあへず たむけやま もみぢのにしき かみのまにまに
现代日语
今度の旅は急な出発だったので、ぬさを用意するひまもありませんでした。手向山の神さま、とりあえずこの美しい紅葉をぬさとしてお供えします。どうかお心のままにお受け取りください。
※ぬさ...「幣」と書き、神に祈るためのささげ物。布や紙でつくらていた。
译文
刘德润 币帛未曾带,匆匆羁旅程。满山枫似锦,权可献神灵。
叶渭渠 今朝远旅去天边,未带路神受祭钱。满山红叶美如锦,即做厚礼献神前。
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25:【三条右大臣】
原文
名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人にしられで 来るよしもがな
读法
なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな
现代日语
逢っていっしょに寝るという名前を持っている、逢坂山のさねかずらよ。その名前のとおりであるなら、かずらをたぐるように、こっそりあなたのもとに逢いに行く方法を知りたいものだ。
※さねかずら···モクレン科のつる状の潅木。秋には赤い実をつける。
译文
刘德润 绵绵真葛草,远侵动相思。愿随芳菲去,相逢人不知。
叶渭渠 山名逢坂意相逢,草曰双栖美且青。但愿能趁人未觉,去往君处叙深情。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
26:【贞信公】
原文
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば いまひとたびの みゆきまたなむ
读法
をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ
现代日语
小倉山の峰を美しくいろどる紅葉葉よ。もし、おまえにも物のあわれのわかる心があるなら、そんなに散るのを急がずに、もう一度天皇がここにいらっしゃるときまで待っていてくれないか。
译文
刘德润 群峰红叶染,绚烂小仓山。愿尔有心意,恭迎圣驾瞻。
叶渭渠 小仓山上秀峰高,红叶如花无限娇。多情红叶如有意,其待御幸于来朝。
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27:【中纳言兼辅】
原文
みかの原 わきて流るる いづみ川 いつみきとてか 恋しかるらむ
读法
みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ
现代日语
みかの原をふたつにわけて、わき出して流れるいずみ川よ。その、いずみ川の名のように、その人をいつ見たといっては、わたしの心は、その人を恋しく思ってしまう。ほんとうは、まだ一度も会ったことなどないのに。それでも、とにかくその人に会いたいのです。
※みかの原···京都府相楽郡を流れる木津川の北岸あたりのこと。
译文
刘德润 泉河波浪涌,流水分瓶原。何日曾相见,依依惹梦牵。
叶渭渠 瓶原泉水碧悠悠,不绝恋情似水流。伊人似在何时见,深情难忘绕心头。
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28:【源宗于】
原文
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば
读法
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば
现代日语
山里の景色や暮らしは、いつの季節でもさびしいけれど、冬はことにさびしさが身にしみて感じられるなあ。たずねて来てくれる人もとだえ、心をなぐさめてくれた草もかれはててしまうと思うと···。
译文
刘德润 我住深山里,东来更寂寥。空山人不见,草木尽枯凋。
叶渭渠 寂寞空山里,冬至更凄凉。抬头人迹远,触目白草荒。
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29:【凡河内躬恒】
原文
心当てに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花
读法
こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな
现代日语
もし折るとしたら、あてずっぽうに折れば、折ることができるだろうか。初霜の一面にまっ白におりて、どれが花か霜か、見わけをつかなくしている白菊の花を···。
译文
刘德润 欲采白菊朵,今朝初降霜。霜花不可辨,满眼正迷茫。
叶渭渠 白菊若可折,折去亦何妨。秋霜白一片,难分菊与霜。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
30: 【壬生忠岑】
原文
有明の つれなく見えし 別れより あかつきばかり うきものはなし
读法
ありあけの つれなくみえし わかれより あかつきばかり うきものはなし
现代日语
あのときも夜明けの空に、有明の月がつれなくのこっていました、あの朝、あなたと別れてから、お会いすることもなく、長い年月がたってしまいましたが、わたしには今でも、有明の月のかかる夜明けほど、つらいものはありません。あなたと別れた明け方のことが思い出されてしまうのです。
※有明の月···夜明けになっても、まだ空にのこっている月のこと。
译文
刘德润 仰看无情月,依依悲欲绝。断肠唯此时,拂晓与君别。
叶渭渠 仰望残月挂高空,一似伊人冷若冰。自从别来孤独甚,最是晓起倍伤情。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
31:【坂上是则】
原文
朝ぼらけ 有明の月と 見るまでに 吉野の里に 降れる白雪
读法
あさぼらけ ありあけのつきと みるまでに よしののさとに ふれるしらゆき
现代日语
ほのぼのと東の空が明けはじめる頃、戸をあけてあたりを見わたしてみた。
すると、まるで有明の月の光がさしているのではないかと思われるほど、まっ白に、この吉野の山里に降降りつもっている白雪よ。
译文
刘德润 朦胧曙色里,皎似月光寒。白雪飘飘落,映明吉野天。
叶渭渠 疑是凌晨月,冷冷放寒光。寂寂吉野里,一片白雪凉。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
32:【春道列树】
原文
山川に 風のかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
读法
やまがはに かぜのかけたる しがらみは ながれもあへぬ もみぢなりけり
现代日语
人里遠くはなれた山の中の谷川に、美しいしがらみがあった。どうしてこんなところに、と近づいてみると、それは風に吹き散らされたまま、流れることができずにいる紅葉だったよ。
※しがらみ···川の流れをせきとめるために、竹やしばでつくられたさくのこと。
译文
刘德润 溅溅山溪淌,秋枫红叶下。无心阻流水,伊然似堰栅。
叶渭渠 山间河水流,风吹叶成堰。欲流流不去,水上红叶乱。
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33:【纪友则】
原文
久方の 光のどけき 春の日に しづ心なく 花の散るらむ
读法
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ
现代日语
うららかな日の光がふりそそいでいる。こんなのどかな春の日に、桜の花は、どうしておちついた心もなく、あわただしく散るのだろうか。
译文
刘德润 灿灿日光里,融融春意酣。放心何事乱,簌簌樱花残。
叶渭渠 明媚柔光丽,春日静悄悄。忧伤心欲碎,好花满地飘。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
34:【藤原兴风】
原文
誰をかも しる人にせむ 高砂の 松も昔の 友ならなくに
读法
たれをかも しるひとにせむ たかさごの まつもむかしの ともならなくに
现代日语
むかしの友だちがつぎつぎになくなってしまった今、年老いたわたしは、いったいだれを友だちにして生きればいいのだろう。たのみにした高砂の松さえ、むかしからの友だちではないのだからなあ。
※高砂の松···「高砂」は、兵庫県高砂市。松の名所として有名。
译文
刘德润 访旧皆难见,可伶无故知。高砂松树在,自小不相识。
叶渭渠 谁为知己知我心?四海无处觅知音。虽有高岗古松树,却非昔日旧友人。
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35:【纪贯之】
原文
人はいさ 心も知らず ふるさとは 花ぞ昔の 香に匂ひける
读法
ひとはいさ こころもしらず ふるさとは はなぞむかしの かににほひける
现代日语
あなたのお心は、むかしのままかどうか、さあよくわかりません。しかし、これまで何度もたずねて来てよく知っている、この初瀬の里の梅の花は、むかしどおりのかおりで美しく咲いて、わたしをむかえてくれていますよ。どうかきげんをなおして、わたしを泊めていただけませんか。
译文
刘德润 悠悠羁旅客,问君可曾知。故里梅花发,幽香似旧时。
叶渭渠 未知君况别离长,君意如何今不详。难忘昔日晤君处,花开犹是旧时香。
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36:【清原深养父】
原文
夏の夜は まだ宵ながら あけぬるを 雲のいづこに 月やどるらむ
读法
なつのよは まだよひながら あけぬるを くものいづこに つきやどるらむ
现代日语
まだ宵だとおもっているうちに、もう明けてしまった。こんなに早く夜が明けたのでは、月も西の山まで行きつけないだろうに、いったい雲のどのあたりに宿っているのだろうか。
译文
刘德润 夏夜匆匆尽,依稀露曙天。云中留晓月,恋恋不思还。
叶渭渠 夏夜犹在未明间,已是朦胧欲曙天。晓月未及西山落,暂住天际乱云边。
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37:【文屋朝康】
原文
白露に 風の吹きしく 秋の野は つらぬきとめぬ 玉ぞ散りける
读法
しらつゆに かぜのふきしく あきののは つらぬきとめぬ たまぞちりける
现代日语
朝草の上に、水晶の玉のような白露がおりている秋の野。その秋の野に、朝の風がしきりに吹き寄せるたびに、糸にとおしてつなぎとめてない水晶の玉が、きらめきながら散りこぼれていることよ。
※風の吹きしく···風がひっきりなしに吹いているようす。
译文
刘德润 清秋原野上,白露滚凉风。无计串珠玉,可伶散草丛。
叶渭渠 草叶凝寒露,风吹草沉浮。萧瑟秋夜里,乱洒白玉珠。
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38:【右近】
原文
忘らるる 身をば思はず ちかひてし 人の命の 惜しくもあるかな
读法
わすらるる みをばおもはず ちかひてし ひとのいのちの をしくもあるかな
现代日语
あなたに忘れられるわたしのみの不幸せなど、わたしにとってはなんでもありましせん。ただ、いつまでもわたしを愛してくださると、神におちかいになったあなたが、そのちかいを裏切ったために神さまの罰を受けて·死んでおしまいになるのではないかと、それが惜しまれてなりません。
※人の命···恋の相手の命をあらわす。
译文
刘德润 有誓遭遗忘,无暇顾自身。别来无恙乎,恋恋犹念君。
叶渭渠 君今忘我我何言,海誓山盟曾对天。恐天罚君君早折,思念至此觉心酸。
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39:【参议等】
原文
浅茅生の 小野の篠原 しのぶれど あまりてなどか 人の恋しき
读法
あさぢふの をののしのはら しのぶれど あまりてなどか ひとのこひしき
现代日语
まばらに芽がはえているさびしい篠原。そのしのということばのように、あなたへの思いをじっとてえしのんでいましたが、もうたえきれません。どうしてこんなにあなたが恋しいのでしょう。
※あさぢふ···芽(野原や道ばたにはえてるイネ科の植物)がまばらにはえている場所。
译文
刘德润 小野幽篁里,青青茅草生。相思难自禁,可叹陷痴情。
叶渭渠 小野白茅青竹林,竹深恰似我情深。一忍再忍忍不住,不知何故总忆君。
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40:【平兼盛】
原文
しのぶれど 色に出でにけり 我が恋は 物や思ふと 人の問ふまで
读法
しのぶれど いろにいでにけり わがこひは ものやおもふと ひとのとふまで
现代日语
あの人を恋しく思う気持ちを人に知られないように、わたしは長い間じっとおさえて、つつみかくしていました。しかし、とうとうかくしきれずに顔色に出てしまいました。「近頃だれかを恋していらっしゃるようですね」と人がたずねるまでに···。
※色に出にけり···顔色に出てしまった、という意味。
译文
刘德润 相思形色露,欲掩不从心。烦恼为谁故,偏招诘问人。
叶渭渠 隐忍深情锁在心,无端流露在眉颦。我心无限相思苦,却被他人问于今。










